CodeCampKIDSは2017年の設立以来、数千以上の子どもたちにプログラミング教育を提供してきました。小学校でのプログラミング教育必修化、2025年からの大学入試への「情報」導入など、教育環境が大きく変化する中、事業責任者の斎藤幸輔氏と教務責任者の鈴木朱美氏に、その取り組みについて詳しくお話を伺いました。
スピーカー
CodeCampKIDS
事業統括責任者
CodeCampKIDS
教務責任者
プログラミング教育を取り巻く環境と変化
ーこの8年間でプログラミング教育を取り巻く環境はどのように変化したとお感じですか?
コードキャンプ株式会社 CodeCampKIDS事業統括責任者 斎藤幸輔 氏(以下、斎藤):変化でいくと、やはりプログラミング教育、小中高生がプログラミング学習するというニーズや市場は確実に拡大しています。背景としては、2020年からの小学校での必修化、中学校で2021年、2022年から高校で必修化、そして来年1月には大学入試の受験科目に情報が入ります。それに紐づく形で人気や市場は拡大していますね。
ー設立当時から、このような変化を予測されていたのでしょうか?
ー斎藤:10年ほど前から子ども向けプログラミング教育に着目していたので、その当時からこの状況を見越していたかどうかで言うと、ここまで劇的な変化は見越していませんでした。2013年頃に政府の日本再興戦略-JAPAN is BACK-の中で、IT人材の輩出に関してプログラミング教育を必修化することを検討するという内容があり、いずれ必修化される可能性は認識していましたが、GIGAスクール構想のような一人一台端末の時代やプログラミング教育の必修化・大学入試の受験科目化がここまで早く来るとは予想していませんでした。
ー保護者の意識面などの変化もみられましたか?
ー斎藤:10年前は『プログラミングって何?それを子どもが学ぶ意味は?』という段階から説明が必要でした。今では説明コストが大きく下がり、保護者の方々自身が働く中でDXやデジタル化を経験されているため、子どもたちへの教育の必要性を強く感じています。
一方で、市場が拡大する中で子供向けのプログラミングサービスを提供する企業も増えてきています。また、受講する子どもたちのレベルも、デジタルネイティブならではの形で向上しているため、私たち自身もCodeCampKIDSも常にアップデートしていく必要があると感じています。
教育アプローチとカリキュラムの特徴
ーカリキュラムの特徴について教えていただけますか?
コードキャンプ株式会社 CodeCampKIDS教務責任者 鈴木朱美 氏(以下、鈴木):私たちの特徴は、体系的なカリキュラムとオリジナル動画教材を中心にした学習システムを基盤としている点です。各教材には詳細な解説動画があり、そこからテキスト学習、実践へと進みます。特に重視しているのが、プログラミングの技術だけではなく、デジタル社会を生きる上で必要な素養も含めて学べる設計になっていることです。プログラミングを通して学んでほしい大切なことを、全て動画コンテンツに盛り込んでいます。
ー実際の授業展開はどのように行われているのでしょうか?
鈴木:以前は操作方法から丁寧に教える必要がありました。『これがクリック』『これがタップ』といった基本的なところからです。しかし、今の子どもたちはある程度の操作を知っているので、むしろゆっくり教えすぎると退屈してしまいます。その分、創造的な活動により多くの時間を使えるようになっています。
レッスンの中で特に重視しているのが、オリジナル作品の制作です。各ステップの区切りでは必ず、企画から発表まで一貫して自分で行うプロジェクトを設けています。単に与えられた課題をこなすのではなく、『自分は何を作りたいのか』『どうやって実現するのか』を考え、形にする。そして、その成果を他者に伝える。この一連のプロセスが、とても重要だと考えています。
ー年齢による学習アプローチの違いも、カリキュラム設計の重要な要素ですか?
鈴木:小学生は純粋にプログラミングを楽しみながら創造性を発揮します。『こんなゲームを作りたい!』『もっとここを工夫したい!』という好奇心が原動力になります。一方、中高生になると目的意識が明確になり、より実践的なスキル習得を重視する傾向が強くなる印象があります。この違いに合わせて、課題の設定や声がけも変えています。
ー課題設定や学習内容を受講者に合わせて変えているのですか?
鈴木:はい、プログラミングは、同じ見た目のものでも作り方は人それぞれです。提示しているコードはあくまでもサンプル。むしろ、自分なりの方法を考え出すことを奨励しています。これは、将来的な問題解決力にもつながる重要な経験になると考えています。
そこで、毎回のレッスンで、オリジナル作品やアレンジ作品の制作を取り入れています。受講生一人ひとりの個性を尊重して、個別最適に学習し、創造性を育むために、自分で考えて自分なりの方法で実現することを推奨しています。
ー大人でも高度な内容のように感じますが、子どもたちは対応できているのでしょうか?
鈴木:コースは3~4つのステップで構成されており、次のステップに進む前には必ず『まとめの作品』を制作します。これは企画書の作成から始まり、作品制作、プレゼンテーション用スライドの作成、発表まで、一貫して自分で行います。一見難しそうに思えるかもしれませんが、段階的に進めることで、子どもたちは着実に力をつけていきます。
実際のプログラミングの現場では、一つの課題に対して様々なアプローチが可能です。私たちは早い段階からその考え方を身につけてもらうことで、より実践的な問題解決能力を育てています。
教育効果と成長事例
ープログラミング学習を通じて、具体的にどのような成長が見られていますか?
鈴木:最も顕著に変化が見られるのは、プレゼンテーション能力の向上です。入学当初は人前で話すのが苦手だと言っていた受講生も、毎月の発表を重ねることで、だんだんと声が大きくなり、1年も経たないうちに自分の考えを自信を持って伝えられるようになっています。
斎藤:プログラミングを通じて創造力や論理的思考力が育つことも特徴的です。プログラミングでは『こういう結果を出すためには、どういう手順で、どんな要素が必要か』を必然的に考えることになります。ここで培った経験は普段の学校生活や問題解決の場面でも活きているようです。
他にも印象的な成長事例はありますか?
ープログラミング学習を通じて、具体的にどのような成長が見られていますか?
鈴木:Unityの大会に毎年参加している受講生の例も印象的です。小学生の時にScratchからスタートして、今は高校生になりより高度なプログラミングに挑戦し続けています。最近では、個人での制作だけでなく、チームでの開発にも取り組んでいます。他の受講生と協力しながら一つの作品を作り上げる過程で、コミュニケーション能力も大きく向上しているのを感じます。
また、作品が一つ一つ残っていくことで、自分の成長を実感できるのも大きいですね。初期の作品と最近の作品を比べると、技術面での上達はもちろん、企画力や表現力も格段に向上しています。教室で学んだことが外でも活きていると嬉しい言葉も伺うことが多いです。
ー具体的に何かありますか?
鈴木:そうですね、先日ちょうど保護者の方からは「学校でのグループワークでもリーダーシップを発揮するようになった」「普段から『こうすればもっと良くなるんじゃないか』と改善点を考えるようになった」といった声も寄せられています。
プログラミング教育の未来展望
ーAIの発展により、プログラミング教育の意義は変化すると考えられますか?
斎藤:20年後はもちろん、10年後、5年後に必要なスキルを正確に予測することも近年では難しいです。それほど技術革新のスピードが速く、社会の変化も大きいと感じています。だからこそ、特定の技術やツールの習得だけを目的とせず、より本質的な力を育むことが重要だと考えています。
具体的には、AIを含むデジタルツールを使いこなしながら、自分で考え、問題を解決し、新しい価値を生み出せる力です。創造力、論理的思考力、コミュニケーション力など、人間にしかできない能力を伸ばすことが、子どもたちの幸せな未来につながるはずです。
ー具体的にカリキュラムにも反映されているのでしょうか?
鈴木:はい。例えば、現在開発中のScratchの新教材では、AIプログラミングの要素も取り入れています。画像認識ツールを使ったプログラミングなど、新しい技術に触れる機会も提供しています。ただし、それは単なる技術習得が目的ではありません。これらのツールを使って『何を作りたいか』『どんな価値を生み出せるか』を考えることを重視しています。
実際、子どもたちの発想力には毎回驚かされます。同じツールでも、私たち大人には思いつかないような使い方を考え出してくるんです。その創造性を伸ばしていくことが、未来のイノベーションにつながっていくのではないでしょうか。
ープログラミング教育の本質的な価値をどのようにお考えですか?
斎藤:私たちが最も大切にしているのは、子どもたちがデジタルツールの消費者から創造者へと変わっていくことです。スマートフォンやタブレットは、単なる動画視聴やゲームのためのツールではありません。自分のアイデアを形にし、新しい価値を生み出すための道具として使えることを、体験を通じて理解してほしい。
最近では、保護者の方々からも『子どもが自分で考えて工夫するようになった』『困ったことがあっても、どうすれば解決できるか考えるようになった』という声をいただくことが増えています。こうした主体的な学びの姿勢こそが、私たちの目指すプログラミング教育の成果だと考えています。
プログラミング教育を通じて育まれる力は、単なるコーディングスキルを超えて、未来を切り拓くための総合的な問題解決能力へとつながっています。それは、AIやデジタル技術が急速に発展する時代を生きる子どもたちにとって、かけがえのない財産となるはずです。
CodeCampKIDSについて
CodeCampKIDSは、初心者でも楽しく学べるビジュアルプログラミングから、本格的なゲームやアプリなどの開発まで学ぶことのできる、小学生・中学生のためのプログラミングスクールです。直営教室、オンラインスクールの運営の運営に加え、日本全国に多数のFCパートナー教室を展開。 教材開発パートナーとして、企業や教育機関との協業による子ども向けプログラミング教材の開発も行っています。
URLhttps://codecampkids.jp/CodeCampYOUTHについて
CodeCampYOUTHはコードキャンプ株式会社が運営する、中学生・高校生のためのオンラインプログラミングスクールです。プログラミング言語「Python」で中高生の関心の高いゲーム・アプリ開発を入り口としながら、社会に出ても役に立つ本質的なプログラミングスキルやAI・データ分析の基礎と活用方法を学ぶことができるカリキュラムで、Web教材でいつでもどこでも学習可能です。また、月3回のオンライングループ学習では現役エンジニア講師から直接レッスンを受けることができます。
URLhttps://youth.codecampkids.jp/コードキャンプ株式会社について
「ITの力で、社会を変革する未来のプロフェッショナルを育てる」ためのIT/プログラミング教育サービス「CodeCamp」を運営しています。2013年に日本初となるオンライン・マンツーマンでのプログラミング教育事業を開始し、ITエンジニアの育成プログラムやWebデザイン教育、法人・自治体向けのプログラミング/DX研修事業、子ども向けのプログラミング教育事業などを展開しています。
会社名 | コードキャンプ株式会社 |
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代表者 | 代表取締役 川西 里佳 |
設立 | 2012年12月21日 |
資本金 | 1億円 |
所在地 | 東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower 9F |
URL | https://codecamp.jp/ |
提供サービスURL | 【CodeCamp】 オンライン プログラミングスクール オンライン Webデザインスクール 【CodeCamp研修】 300社が選ぶプログラミング/IT研修 【CodeCampDX人材育成】 実務に繋がるリスキリング研修 【CodeCampNEXT】 若手エンジニアのスキルアッププログラム 【CodeCampKIDS】 小学生・中学生のためのプログラミング教室 【CodeCampYOUTH】 中学生・高校生のためのオンラインプログラミングスクール |
お子様の可能性を広げる学習体験
「楽しみながら学べる環境で、お子様の好奇心と創造力を育みませんか?私たちのプログラムは、最新のテクノロジーと実績ある教育メソッドを組み合わせた独自の学習体験を提供しています。
対象は小学1年生から中学生向けの『CodeCampKIDS』、中学1年生から高校3年生向けの『CodeCampYOUTH』まで。年齢や習熟度に合わせた段階的なカリキュラムで、プログラミングを通じた論理的思考力と問題解決能力の向上をサポートします。
楽しく学ぶ
遊びを通じて自然に学習習慣が身につきます
仲間と一緒に
グループ活動で協調性とコミュニケーション力を育成
確かな成長
段階的なカリキュラムで着実な成長を実現
実践的な学び
本物のプログラミング体験で技術力を養成
お子様の未来への第一歩を、私たちと一緒に
専門スタッフによる無料カウンセリングで、お子様に最適な学習プランをご提案いたします